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誰もが嘘をついている~ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性~

感じたこと

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内容

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引用メモ

  • そんな折、友人がジョーダン・エレンバーグの論文をメールで送ってくれた。ウィスコンシン 大学の数学者であるエレンバーグは、いったい何人が実際に書籍を読み通すのかに興味を持った。 そしてビッグデータを活用してそれを調べる妙手を考案した。 アマゾンのレビュー欄では、人々 は書籍中の文章をさまざまに引用している。エレンバーグは、書籍の前半の記述の引用回数と後 半のそれとを比較することを思いついた。こうすれば読者がどれくらいある本を読み通したかを 大まかに示す指標にはなる。この方法によれば、ドナ・タートの小説 「ゴールドフィンチ』は、 90%以上の読者が読了していた。対照的に、ノーベル経済学賞を受けたダニエル・カーネマンの 傑作 『ファスト&スロー』は、およそ7%しか読了していなかった。この大雑把な測定方法によ ると、経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』に至っては、世評の高さとは裏腹に、3%足 らずだった。 要するに、人々は経済学者が書いた本は読了しない傾向が強いのだ。 本書の要点の一つは、ビッグデータが示唆するところにはあまねく従わなければならないとい うことだ。多くの読者に本書を精読の上、最終ページの記述にも前述の物事との関連性を見出し てほしい。だがどれほど推敲を重ねても、大半の人々は最初の500頁を読んでいくつか要点をつか み、暮らしの雑事に追われるものだ。
  • 本書はビッグデータの最適な使い方を示し、それがどうしてそんなに強力なのかを解説する。 そしてその過程を通じて、私や他の人々が見出してきたことの数々をお伝えする。そのごく一例 を挙げれば・・・・・・ ・ゲイの男性はどれだけいる? ・広告には効果がある? ・どうしてアメリカンファラオは偉大な競走馬なのか? ・マスコミは偏向している? ●「フロイト的錯誤」は本当? ・脱税するのはどんな人? ・どの大学に進学するかは大切? ・株式市場は予測できるか? . ・子育てに最も適している場所は? . 物語をバイラル的に流行らせるものは何? ・2度目のデートにこぎつけたければ、最初のデートで選ぶべき話題は?
  • あなただってデータサイエンティストだ。子供の頃、泣けばお母さんがかまってくれると思っ ていたはずだ。これはデータサイエンスだ。大人になってからは、 愚痴ばかりこぼしていると人 から相手にされなくなると悟ったはずだ。それもデータサイエンスだ。 人に相手にされなくなる と、面白くない。そしてそうなると、つっけんどんになる。つっけんどんになると、ますます人 から相手にされなくなる。いずれもれっきとしたデータサイエンスだ。
  • さらに直感は通常、世の中のありようについて総じて良き一般論を与えてくれるが、不正確な ことも少なくない。実相をより正確に知るにはデータが必要だ。たとえば天候が気分にもたらす 影響を考えてみてほしい。おそらく摂氏マイナス12度の日には、プラス20度の日よりも気がふさ ぐと思うだろう。そしてこの推論は正しい。だがそれがもたらす影響の大きさはわからないだろ う。 私はある地域における鬱についてのグーグル検索データと、さまざまな要因(経済状態、教 育水準、教会参加率など)との相関性を調べた。 冬の気候の影響力は他の要因を圧倒していた。 冬の間、ハワイのホノルルのような暖かい都市では、靴についての検索がイリノイ州シカゴのよ うな寒い都市よりも40%も少なかったのだ。これは大きな影響だ。抗鬱剤の有効性研究によると、 楽観的な研究においてさえ、最も有効性の高い薬剤でも鬱を20%低減できるに過ぎないとしてい る。 グーグルのデータによれば、シカゴからホノルルに引っ越すだけで、投薬治療の少なくとも 倍も冬季のの対策になる。
  • 馬の能力を、左心室の大きさと脾臓の大きさから推察する。
  • フロイト的衝動はただの勘違い 。
  • 実際、政治姿勢については、すでにいくつかの研究がなされている。 データ分析会社カタリス トの科学者ヤイル・ギツァとコロンビア大学の政治学者で統計学者アンドルー・ゲルマンは、大 半の人はリベラルに生まれ、加齢とともにどんどん保守的になっていくという通念の検証に取り 組んだ。 この通念は、ウィンストン・チャーチルの有名な言葉に表されている 「30歳未満で リベラルではない人物は冷血だ。そして30歳を過ぎて保守ではない者にはおツムがない」
  • ヤバい経済学、内容は反証されつつある。
  • 米国は機会のある国ではない。カナダのほうがよっぽど。そして内容は地域により大きく異なる。
  • 社会を動かしている力の多くは, それぞれの主体に固有なこの言葉のあらゆる意味における一 interest (利益= 権利関心=所有権など) ですが, そうした interest によって動機付けられた自己を他者の方へと開いていくこと 他者 の interestとの調停へと向かうことが大事だと思います。 そのとき,そうした対話を導く原理のひとつは公正さです。 公正さは、 自己と他者のあいだの関係における実践的な意味での一般性 です。 それは, 「正義」 という理念ほど強力ではありませんが,し かしそれだからこそ、 いっそうその場その場における対話を導く原 理としては有効です。 そして, 公正さのセンスというものも 学問 の行為を貫くきわめて大事なファクターなのです。 先行する諸論文 に対して公正であるかどうか。 あるいは, 扱っている対象に対して 公正であるかどうか、 自分の勝手な思い込みから相手を誤解してい ないかどうか・・・・・・学問をするということは,そうした公正さへの不 断の気遣いを実践することでもあるのです. そして,もうひとつの原理は創造性です。 学問は,それがなんら かの仕方で、 新しいオリジナリティを携えていることを要求されて います。 過去にすでに言われていることをそのまま反復するのでは、 学問にはならない。 なにか創造的な新しさがなければならないので す。 つまり, 新しい認識, 新しい関係の在り方が創造されなければ なりません。 そして, その創造性において, 文科系の学問もまた社 会を貫く文化の広汎なダイナミズムの一環を担っているのだと言え るでしょう。