感じたこと
内容
引用メモ
感情を逆なでしてしまった方々に、一言、申し上げたい。私は電気自動車を一新した。宇宙船で人を火星に送ろうとしている。そんなことをする人間がごくふつうでもあるなどと、本気で思われているのですか、と。 ──イーロン・マスク (2021年5月8日のサタデー・ナイト・ライブ
オレンジ色のハイライト | 位置: 241
感情遮断弁があるからイーロン・マスクは冷淡だと言われるのだろう。だが、これがあるから積極的にリスクを取るイノベーターになれたとも言える。ジャスティンは次のようにも語っている。 「恐れも遮断できるんです。でも、恐れを遮断するには、喜びや共感などほかのものも一緒に遮断しないといけないのでしょ
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ふつうのアントレプレナーは世界全体をどうとらえるのか、いわゆる世界観でさえなかなか得られないのに、彼は、宇宙観を確立していると言えるだろ
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この銀河の住民は、「生命、宇宙、その他もろもろについての深遠なる疑問の答え」を得るためスーパーコンピューターを構築していた。そのコンピューターが700万年をかけて出した答えは 42。なんだそれはと大騒ぎになったがコンピューターは「これが答えなのは絶対にまちがいありません。あえて正直に申し上げれば、なにが問いなのかあなたがたはよくわかっていない。それが問題なのだと思います」と涼しい顔
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学校のプログラミングクラスでも優秀な成績を上げたイーロンは、IBM PC/XTを買ってもらうと、PascalやTurbo C++も独習した。 13 歳になると、123行のBASICプログラムにグラフィックスを操作する若干のアセンブリ言語を組み合わせ、『ブラスター』というゲームまで開発してしまう。このゲームは、PC&オフィステクノロジー誌の1984年 12 月号に掲載され
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「最高経営責任者、いわゆるCEOになんてなりたいと思ったことはありません」とイーロンは言う。「ですが、最高経営責任者でなければ、本当の意味で最高技術責任者とか最高製品責任者とかになることもできないとあのとき学びまし
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「ベンチャーキャピタルや経営のプロと言われる人々と仕事をしてもろくなことにはならない」とマスクはインク誌に語っている。「創造性もなければ眼力もないから
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いまも当時もそうなのだが、マスクのやり方は、ありえない締め切りを設定し、なんとかまにあわせろと発破をかける、で
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「ほかはみんな慣れてるし、カードを記憶したりオッズを計算したりが得意なわけですよ」とレブチンは言う。「イーロンは毎回必ずオールインして負けてました。で、負けるとチップを買って、倍賭けするんですよ。何回負けたかわからないくらい負けたあと、オールインで勝つことができました。そうしたら、『うん、これでよし。ここまでにする』って言うんです。これが彼の生き方なんですよね。チップをテーブルに載せ続ける。賭け
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「人生は短い。前に進もう」 これがマスクの結論だった。マスクは、ピーター・ティールやデイビッド・サックスなど、数人のクーデターリーダーに対しても同じことをした。 「最初はすごく腹がたちました」と、2022年夏、マスクは私に語ってくれた。「闇討ちさえ考えたほどです。ですが、そのうち、追放されてよかったと思うようになったんです。あのままだったら、私は、いまも、ペイパルであくせく働いていたかもしれません」 少し口をつぐんだあと、マスクは、ふっと笑った。 「もちろん、私がCEOにとどまっていたら、ペイパルはいまごろ1兆ドル企業になっていたでしょう
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「ミッションありきでスタートし、金銭的に成り立つ形で進めるにはどうしたらいいかと逆に考えたわけです。私にその発想はありませんでした。そんな考え方ができるから、イーロンは自然界の力とさえ言える存在なん
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大昔、エジプトでピラミッドが作られたが、その技術は失われた。ローマについても同じことが起きた。高架式水道など、すばらしい技術の数々が暗黒時代に失われてしまった。同じことが、いま、米国で起きているのかもしれない。 「技術とは自動的に進んでいくものだと考えるのはまちがいです」と、マスクは、のちにTEDの講演で語っている。「技術とは、少しでもよくしようとたくさんの人が必死に働いて初めて進化するものなの
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マスクは、第一原理から考え直していた。状況を基本の基本まで深く検討し、そこから考え直してみるのだ。このやり方で、マスクは、「ばかやろう指数」なるものを考案していた。基本的な材料の費用に比べたとき、完成品がどのくらい高いかを示す数値だ。ばかやろう指数の高い製品は、製造効率を高めればコストを大幅に圧縮
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これは天からの負託で、人類の前進に自分は欠くことのできない存在なのだと言うに等しく、さすがに大きく出すぎだとも思える。だが、苦笑を誘いがちなマスクの主張は、真実のかけらも含んでいることが多い。 「宇宙に旅立てる文明なのだ、星々のあいだを駆けられる文明なのだと希望を示したいんだよ。そのためには、画期的なロケットを作る会社を興す以外にないん
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常軌を逸したマスクの想いを狂気から単なる大幅な遅れへと変える非現実的な計画をぶち上げたわけだ。ペイパル時代の伝統を引き継いだ格好で
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イーロンがスペースXを立ち上げた2002年5月、妻ジャスティンが初めての子どもを産んだ。長男ネバダだ。名前は、ネバダ州で毎年開かれているバーニングマンというお祭りのときにできた子どもだから
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マスクが感情を抑え込むのは、子ども時代に身につけた防衛機制だろうとジャスティンは言う。 「暗いところに入ると彼は感情を殺してしまうんです。彼にとっては死活問題なのでしょ
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になりました」 細マッチョで割れ顎に漆黒の髪と、木材切出しの仕事にぴったりな荒削りの印象なのだが、ミューラーの内面は、マスクと同類で好奇心の塊だった。図書館でSFを読みまくる。ミドルスクールでは、おもちゃのロケットにコオロギを乗せて打ち上げ、加速の影響を調べる自由研究をしている。ただこのときは、別の面を学ぶはめになった。パラシュートが働かなくてロケットが地面に激突し、コオロギが全部死んでしまったの
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エンジンを設計する推進部門のトップになってくれないか──そうマスクに請われたミューラーは、リスクを毛嫌いするTRWの文化に不満を抱いていたこともあり、妻に相談してみることにした。 「その仕事、しなかったら後悔するでしょうね」 妻にも背中を押され、ミューラーは、スペースXにおける本格採用の第1号となっ
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「自分は共同創業者だ、と、2年分の給料を第三者預託にしてくれ、は両立しえません。やる気と汗とリスクがそろわなければ共同創業者にはなれないの
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工場は、設計、エンジニアリング、製造を1カ所にまとめるべしというマスクの哲学に従ったレイアウトとした。 「組立ラインの人間が設計者や技術者の首根っこをつかまえて、なにを考えてこんなことにしたんだと言えるべきなんだ」とマスクはミューラーに説明した。「コンロに触って熱かったらすぐ手を引っ込めるけど、コンロに触れているのが別のだれかの手だったら、それをなんとかするのに時間がかかったりする
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結局、ほんの数年で、スペースXは、ロケット用部品の 70%を内製するように
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マーリンエンジンの製造が始まったころ、その重量をマスクが尋ねたことがある。500キログラムくらいだとミューラーが答えると、テスラのモデルSが2000キロ前後で原価3万ドルくらいだ、「お前のエンジンは重さが4分の1なのにそこまでばか高くなるのはなぜなんだ」と返ってきたと
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要件は、すべて、勧告として扱え。それがマスクのやり方だ。疑う余地のない要件は、物理学の法則に規定されるものだけだ、
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ちなみに、爆発は「予定外の急速分解」と呼ぶことにし
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ショットウェルは、マスクとの付き合い方について一日の長があった。夫が自閉症スペクトラム障害、いわゆるアスペルガー症候群だったのだ。 「イーロンのようにアスペルガーな人は、人間関係を円滑にする手がかりに気づけませんし、自分の言葉がほかの人にどう受け取られるのかが自然にわかったりしません。イーロンは相手の性格や個性をきちんと理解できますが、それは学習の結果であって、感情による自然な理解ではありませ
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スペースXを世の中にもっと知ってもらおうと、マスクは、2003年 12 月、ファルコン1ロケットをワシントンまで運び、国立航空宇宙博物館の脇で公開することにした。7階建てのビルほどもあるロケットをロサンゼルスから運ぶので、トレーラーも特注だ。色は明るいブルー。社内には、まにあうようにプロトタイプを完成させろと、またもむちゃな期限を切って発破をかけた。技術陣にはこんなことで仕事がじゃまされるなんてと不満を抱く人が多かったが、警察に先導されてインディペンデンス通りを進むロケットはNASAのショーン・オキーフ長官に感銘を与えた。長官は、副官のリアム・サースフィールドをカリフォルニア州に送り、この果敢なスタートアップについて調べさせることにした。調査結果は「スペースXはすばらしい製品を開発していますし、将来性も十分にあります。NASAの投資先として不足はありません」だっ
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「ボーイングもロッキードも、実費精算のぼろ儲けが続いてくれればいいと願っています。でもそのやり方で火星には行けません。完遂するインセンティブがないのです。実費精算契約なら、完遂しないかぎり、政府のおっぱいを吸い続けられます
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正直なところ、前者の答えはノーであり、後者はたいして減らせないです。ですが、この秘密のマスタープランを理解すれば、そういう話ではないのだとおわかりいただけるはずです。新しい技術は最適化ができておらず、どうしても高くなります。電気自動車も例外ではありません。だから、テスラは、高くても買ってくれる顧客がいる高級市場からスタートし、その後、生産台数が多く低価格のモデルを順次出して一般市場に広げることを急ぐという戦略にしたの
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マスクはストレスがかかると未来に逃げ込むことが多い。火星着陸計画やハンドルのないロボタクシー、脳にチップを埋め込んでコンピューターに接続する技術など、どのくらい先かもわからない技術について細かな質問を浴びせ、目前に迫った大きな節目に集中している技術者をまごつかせたりするのだ。テスラでも、ロードスターの生産が危機に直面したとき、次に作りたいと思っている車の部品についてどうなっていると尋ねたりして
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この試みから、大事なことを学んだとグラシアスは言う。 「成功の源は製品ではないんです。製品を効率的に作る能力です。マシンを作るマシンをどう作るか、です。工場をどう設計するのかと言ってもいいでしょう」 マスクも、同じ原理を取り入れることに
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2回目の打ち上げ失敗をマスクの脇で見ていたワイアード誌のカール・ホフマン記者は、どうしてそんなに楽観的になれるのか尋ねてみたという。 「楽観的? 悲観的? そんなことは知らん。やる。やり遂げる。地獄なんぞものともせず必ずやり遂げると神に誓うんだ」──それがマスクの答えだっ
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「ペイパルのごたごたを埋めあわせるような意識もどこかにあった気がします」 投資が発表されたのは、3回目の打ち上げに失敗した直後の2008年8月3日だった。これがあったから、マスクは、4回目に挑むと宣言できたわけだ。命綱である。 「因果応報というやつでしょうか。元老院で刺されたシーザーのように、私は、ペイパルのクーデターリーダーに暗殺されたわけですよ。そのとき、なんてことしやがんだとこき下ろすこともできました。でもしなかった。こき下ろしていたら、ファウンダーズファンドが2008年に助けてくれることもなく、スペースXは死んでいたでしょう。占星術とかはまるで信じていませんが、因果応報というのはたしかにあると思い
オレンジ色のハイライト | 位置: 3,294
打ち上げ成功で、起業家による宇宙開発という未来も救われた。 「1マイル4分切りの記録を打ち立てたロジャー・バニスターと同じように、宇宙に行く件に関する限界がどこにあるのか、世の中の意識をスペースXは変えてしまった」と作家のアシュリー・バンスは書いて
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「ふつう、デザイナーはデザインを考えたら、それを別の建物やそれこそ別の国にいる技術者に投げておしまいなんです」とフォン・ホルツハウゼンは言う。だがマスクは、デザイナーと技術者を一部屋にまとめる。「技術者のように考えるデザイナーとデザイナーのように考える技術者を生み出す。そういうビジョンです」 これは、スティーブ・ジョブズとジョニー・アイブがアップルに植え付けた原理と同じだ。デザインとは見た目だけの問題ではない。本物の工業デザインとは、外観と中身をつなぐものなのだ。 「普通の人にとって『デザイン』というのは、みてくれのことさ」──ジョブズは、昔、こう語っている。「そんなのデザインじゃない。デザインというのは人工物の基礎となる魂のようなもので、製品やサービスを包む外層という形で自己表現するん
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「ほんと、どうにかならないかと思うんですが、イーロンは、ひどい仕打ちをしてくる人に惹かれるんですよ。みんなまちがいなく美人なんですけど、でも同時にすごい暗黒面を抱えていて、猛毒だってことはイーロンもわかっているんですが」 それがわかっていてどうして? 本人に問うと、マスクは大笑いした。 「私が恋愛バカだからですよ。いろいろなことについてバカではあるんですが、愛情については特にバカなん
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「そこの作業員に優しくするのは、自分の仕事をきちんとこなしている何十人もの作業員に対して優しくしないことに等しいんですよ。問題箇所を修正しなければ、ちゃんとしている人々を傷つけることになるんです」 感謝祭の祝日をマスクは工場で過ごした(マスクの子どもたちも何人か来ていた)。感謝祭も働けと作業員に命じたからだ。工場を止めればバッテリーが作れず、その分、テスラが作れる車の台数が減って
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,721
こうしてマスクは自動化の使徒であることをやめた。そして、停滞を引き起こしている箇所を探し、人動化で改善できないかを熱心に追求しはじめた。 「生産ラインからロボットを取り外して駐車場に捨てはじめたんです」とストラウベルは言う。 週末に工場を一周し、廃棄すべき機器に印をつけて歩いたこともあるという。マスクによると、機械を外に出すため、壁に穴まで開けたらしい。 この経験から得た教訓を、マスクは、その後の生産アルゴリズムに生かしている。工場は設計段階が終わるのを待ってから──要件をすべて検討し、不要な部品はなくしてから──自動化を進めることにしたの
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,896
「アルゴリズム、アルゴリズムって壊れたレコードみたいですが、でも、耳タコになるほどくり返すべきものだと思うんです」 戒律は五つだ。 第1戒──要件はすべて疑え。要件には、それを定めた担当者の名前を付すこと。「法務部」や「安全管理部」など部門名しか付されていない要件を受理してはならない。必ず、定めた本人の名前を確認しろ。そして、その要件を疑え。担当者がどれほど頭のいい人物であっても、だ。頭のいい人間が決めた要件ほど危ない。疑われにくいからだ。私が定めたものであっても、要件は必ず疑え。そして、おかしなところを少しでも減ら
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,902
第2戒──部品や工程はできるかぎり減らせ。あとで元に戻さなければならなくなるかもしれないが、それでいい。実際のところ、 10%以上を元に戻さなければならなくならないのなら、それは減らし足りないということだ。 第3戒──シンプルに、最適にしろ。これは第2戒のあとにやるべきことだ。そもそもそこにあってはならない部品やプロセスをシンプルにしたり最適化したりしてしまうのは、よくあるまちがいだ。 第4戒──サイクルタイムを短くしろ。工程は必ずスピードアップが可能だ。ただし、第1戒から第3戒までが終わったあとにやること。テスラの工場では、なくすべきだったとのちに気づく工程をスピードアップするのにかなりの時間を使うという愚を犯してしまった。 第5戒──自動化しろ。これは最終段階だ。ネバダでもフリーモントでも、一番のまちがいは、ステップの自動化から始めてしまったことだ。要件をすべて洗い直し、部品や工程を減らせるだけ減らし、バグをつぶし切るまで自動化は待たなければなら
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,916
・仲間意識は危ない。相手の仕事に疑問を投げかけにくくなるからだ。仲間を苦しい立場に追いこみたくないという意識が生まれがちだからだ。これは避けなければならない。 ・まちがうのはかまわない。ただし、自信を持った状態でまちがうのだけはやめよ
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,918
・自分がやりたくないことを部下にやらせてはならない。 ・解決しなければならない課題に直面したら、管理職に伝えて終わりにしないこと。階級を飛ばし、管理職の下の人間と直接会うこと。 ・採用では心構えを重視すべし。スキルは教えられる。性根をたたき直すには脳移植が必要だ。 ・気が狂いそうな切迫感をもって仕事をしろ。 ・規則と言えるのは物理法則に規定されるものだけだ。それ以外はすべて勧告で