感じたこと
- 人類が食べるものの1/3が発酵食品である、というのが1つ目の驚きポイント
- 2つ目は、「発酵バクテリアの存在により真核細胞が誕生した」、つまり人間のような複雑な生物の誕生には、発酵が欠かせない要素!だったこと。ありがとう、発酵。
- 発酵は、文化。その土地に根付く菌と、育つ植物とが掛合わさって発酵のスタイルが生まれる。発酵を知ることは、文化を知ること。
- この本はレシピ本。なかに、アルコールからサラミまで、あらゆる発酵食品をつくるための方法やそのために利用する器具について書かれている。大判本でよかった。
- 心惹かれたレシピが、
- オクラの塩漬け
- オリーブの塩漬け
- ぬか漬け
- 乾塩熟成ソーセージ(サラミ)
- いま我が家のロフトでも、昨年末に仕込んだ味噌が発酵中。美味しく育ってほしい。
内容
- 嫌気的代謝:酸素無しで栄養素からエネルギーを作り出すこと=発酵
- 発酵バクテリアと初期の単細胞生物との共生関係が固定される(シンビオジェネシス)ことによって、植物や動物や菌類を構成している真核細胞が生まれたとする生物学者の学説
- 発酵にはいくつもの現実的なメリットが。
- 保存性の向上:温度によらず、保存料も放射線照射も缶詰加工もいらない。菌の保護。
- 健康効果:栄養素の整体利用性が高まり、追加の栄養素が生まれ、栄養阻害物質が除去される。発酵による事前消化により、消化改善も見込める
- エネルギーの節約:長時間の調理をすることなく栄養素を取り込めるようになる。冷蔵庫もいらない
- 風味の追加:ピクルス美味しい。チーズ美味しい。ワインやお酢、コーヒーも。醤油や味噌の風味もある。
- 2種の発酵:天然発酵と培養発酵
- 天然発酵:食品や環境中に自生する微生物による発酵
- 培養発酵:分離された微生物や定着した群落を培地へ導入しておこなう発酵
- 数々のメニューとトラブルシューティングに対するメッセージ
- 後半には発酵の事業化に向けたアドバイスまで。
引用メモ
人類が発酵を発明したり作り出したりしたわけではない。発酵が我々人類を作り出した、というほうが正確だろう。