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肩をすくめるアトラス 第一部 矛盾律

感じたこと

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内容

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引用メモ

何日かして、ふたりきりで川岸の森を歩いていたとき、彼女はたずねた。 「フランシスコ、もっとも堕落した人間ってどんな人間のこと?」「目的のない人間のことだ」
あの段ボール紙の家の値段は本当の鉄筋が買えたはずの値段だ。ほかのものすべての値段がそうだ。金はああいうやりかたで金持ちになる人間のものになった。そういうやつらは長い間豊かではいられない。その金はもっとも生産的な人たちではなく、もっとも腐敗した者へと続く経路に流れる。僕らの時代の基準によると、勝つのは誰よりも提供するものが少ない者たちだ。そういう金がサン・セバスチアン鉱山のような事業に消えていく」
ー私の頼を得るためと?」 「いいえ。誰にせよ、信頼を得るなどという言葉で話したり考えたりする人間を僕は好きになれません。人は行動が正直であれば、あらかじめ他人から頼を得る必要はなく、合理的な知覚が必要なだけです。そういう道徳的な白地小切手を欲しがる人間には、本人が認めようが認めまいが不正直な意図がある」
道徳って何かしら?彼女はたずねた。善悪を見分ける判断、真実を見る目、それに基づいて行動する勇気、良いものへの献身、いかなる代償を払ってでも善きものの側に立ち続ける決意。だがそんなものどこにある?」