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仕事は楽しいかね?

感じたこと

  • 改めて。気づきの多い一冊だ。

社会背景

著者

  • デイル・ドーテン
    • ビジネス分野のコラムニスト
    • アリゾナ州立大学およびスタンフォード大学MBAにおいてイノベーションおよびその体現者についての関心を深める。Lumina Corporationの社長であり、The Innovator's Labの創設者でもあり起業家・実務家の顔をも併せ持つ。
    • 1980年に、マーケティングリサーチ専門会社であるリサーチ・リソーセスを起業する。マクドナルド3MP&Gなどの国際的大企業を顧客に抱える。1991年に新聞に発表した経済コラムが好評を博したことから、執筆業を開始。連載しているコラムは100社以上の新聞社に配信されており、多数の愛読者を持つ。執筆業の他には企業講演、従業員訓練やキャリアセミナーの開催といった活動もしている。

内容

メモ

  • 原題:The Max Strategy: How A Buisnessman Got Stuck At An Airport and Learned to Make his Career Take Off
  • 普通のサラリーマンである主人公が雪で空港に閉じ込められた時に老人と出会ったところからストーリーは始る。イライラしている主人公とは対照的な老人。彼と話すことによって主人公はチャレンジし続けることの重要さを学ぶ。
  • asis-tobe分析やポジティブな姿勢に対してNoを突き付ける
  • 「目標を設定して、その目標を完璧に実現する」という成功へのアプローチは往々にして破綻している。常に、世の中に求められているものは変わっていく。その設定した目標は、日に日に陳腐化して価値の無いものになっている。
  • 世界はめまぐるしい速度で変わっていっているのに、昔立てて賞味期限切れになった目標を追いかけても意味がない、と。
  • 『また、この目標を達成しようとしている人は「人より特出したいのに、人の模倣をしてしまっている」』
  • マックスの唯一の目標は『明日は今日とは違う自分になる』ということ。とにかく色んなことを、新しい方法を試してみる。遊び感覚でいろいろやって、なりゆきを見る」

具体

  • 冒頭、海外でよくある名言から始まる部分「子どもはみな、生まれながらに芸術家だ。問題はいかにして芸術家であり続けるかということだ。」
  1. 仕事はたのしいかね?
    • 5月の吹雪のために封鎖されてしまったオヘア空港で途方に暮れる35歳のビジネスマン
    • 突然質問を投げかけてくるおじいちゃん、マックス。最後の質問が「仕事はたのしいかね?」
    • 形にならない不満をポツポツと共有する
      • そこそこの給料をもらっていること、同僚も皆いいやつ
      • 真面目に働いている
      • しかし、出世は出来ない。不満を述べることも出来ない
      • 新しいビジネスを始めてみたものの、うまくいかない
    • そこでもう一言、「他人はなんのためにいるのかね?」
  2. 人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが何度も繰り返されていくのだよ
    • 退屈と不安というスタグフレーション。職業的スタグフレーション
    • それを打ち破るための成功のための戦略
      • 目標を設定する
      • 活きる姿勢を変える
      • ポジティブな姿勢
    • それに大きくバツをする
  3. 試してみることに失敗はない
    • 圧倒的な短さ。短さこそ力
    • Experiments never fail
  4. 明日は今日と違う自分になる、だよ
    • ずっとしたいと思っていた仕事をしているのに、何故かやっぱり幸せじゃない→目標の弊害
    • 時間や進歩に対して直線的な見方をしている。規則正しさを過信している。
    • 明日は今日と違う自分になる、という目標
      • 簡単ではない、とにかく、ただひたすら良くなろうとすること
      • とんでもなくつかれるが、ワクワクするし、活気にあふれる
  5. これは僕の大好きな言葉のひとつなんだ。「遊び感覚で色々やって、成り行きを見守る」というのがね。
  6. 必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ
    1. コカ・コーラ
    2. チョコチップクッキー
    3. リーバイス
    4. キャノンデール
    5. チャイナミストティー
  7. 目標に関する君の問題は、世の中は、君の目標が達成されるまで、じーっと待っていたりしないということだよ。
    • プロフェッショナルはかくあるべき。サクセスストーリー
    • サマセット・モーム:小説を書くためのルールは3つある、残念ながら、どんなルールなのかは誰も知らない
    • 成功するというのはね、右に習えをしないっていうことなんだ
  8. 君たちの事業は、試してみた結果失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落してたんだ。
    • 他人を凌駕するために、他人と同じことをする。そんなに愚かなことはない
    • 適切なときとか、完璧な機会なんてものはない
    • 賭けをしない人にチャンスは全く来ない
    • 「何 かを やっ て み て、 それ が ろ く でも ない アイデア だ と わかっ た とき、 きみ は もと の 場所 に 戻る こと は 絶対 に ない。 必ず、 何 かを 学ぶ から だ。 学ぶ べき こと が 何 も なかっ た 場合 は、 その 前 に し て い た こと に 高い 価値 を おく べき だって こと。 そういう 意味 で 僕 は、 試し て みる こと に 失敗 は ない という のは 真実 だ と 思っ て いる。」
    • 他の人に変わってもらうことは難しい。自分を変えることも難しい。人間は皆変化が嫌いである。(人には変化を求めるものの)
  9. あの実験で学ぶべきことはね、「あらゆる物を変えて、さらにもう一度変えること」なんだよ
  10. それはね「あるべき状態より、良くあること」なんだ。
  11. もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、君はそれにふさわしいかね?
    • みな、他の人には簡単だという。他の人には時間もお金もあると。
    • あとからだったらなんだって言える。あとから見れば。
  12. 覚えておいてくれ。「試すことは簡単だが、変えるのは難しい」ということを。
    1. 「困難 という のは、 一つひとつ が 実地 演習 を 始める 合図 だ。 試す こと は、 一つひとつ が 世の中 への 問いかけ だ。 答え という のは、 一つひとつ が 旅 だ。 旅程 の 計画 は 人生 に 任せ て おけ ば いい。 きみ の 仕事 は、 光 を 集める こと と カメラ を 持っ て いく こと な ん だ から」
  13. 新しいアイデアというのは、新しい場所におかれた古いアイデアなんだ
    1. 仕事を再定義し続け、リストをどんどん広げていく
    2. モハメド・アリ:ボクサーの仕事は相手にパンチを食らわせるだけのものではなく、観衆を引き込むものだということに気づいた
  14. 君が「試すこと」に喜びを見出してくれるといいな。

考えたこと

  • 星海社新書「クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方」がよさそう
    • J.D.クランボルツが20世紀末に提唱した、クランボルツ理論
    • 計画された偶発性:キャリアは100%意のままにコントロールできない。8割は偶然の出来事によって決定されている
    • 好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心の5条件が必要
      • ①好奇心 [Curiosity]:たえず新しい学習の機会を模索し続ける
      • ②持続性 [Persistence]:失敗に屈せず、努力し続ける
      • ③楽観性 [Optimism]:新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考える
      • ④柔軟性 [Flexibility]:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
      • ⑤冒険心 [Risk Taking]:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
    • どんな人がキャリアに満足しているか
      • 唯一無二の仕事を見つけようとしない
      • 先が見えないことを不安に思い過ぎない
      • 選択肢を絞りすぎず、オープンに構えている
      • 想定外の出来事を前向きに捉える姿勢がある
      • 目の前のことに集中している
  • (綿貫)
    • 印象に残った一節
      • "仕事に対してちゃんとした考えを持っていないなら、物足りなさや取り残されたような思いを抱くだろうってことなんだ。その反面、たとえこれぞと思う仕事に関して夢を持っているとしても、思い込みは禁物なんだ。アメリカの至るところで、人々は精神分析医のところへ詰めかけ、こうぼやいてる、『〈ずっとしたいと思っていた〉仕事をしているのに、なぜか〈やっぱり幸せじゃない〉んです』そういう人は、計画を立てることに依存しすぎてる。僕が〈目標の弊害〉と呼んでいる状態に陥ってるんだ」"
      • "肝に銘じておいてくれ。売れ残ったテント用の帆布を使って、何かをすべきか考え続けてこそ、リーバイスのジーンズを思いつくことができるんだってことを”
    • キャッチコピー 「どこかでロールモデルを探していたあなたへ」
      • ロールモデルが必要と思っていた時期があった
        • 「ロールモデル不在の時代」とよく言われるけど、モデルを探そうと言われた教育の名残では?
      • どこかで正解を探そうとする癖がある世代(=私)に問いかける本と感じる
        • ex)新卒でいい会社に入らないといけない、配属先でよい成果を出さないといけない、すぐにやめてはいけない。
      • 正しい答えを探すのではなく、正しく問う力を
        • ex)Withコロナ、Afterコロナじゃなくて「ニューノーマル」
        • 好きなことを仕事にしているか(答え)よりも「その仕事をしている自分を好きになれるか」(問い)
    • 時間軸が短い人、長い人 ⇒どんな人がキャリアに満足しているか に関連
      • ①<点>の作業をコツコツこなすのが得意な人
      • ②遠くを見渡せて、革新的な視野を持って、ジャンプできる人
        • 短期的な喜びを重視すると、長期にわたる成長の機会が犠牲になるのでは
          • 時間軸が短い人は、困難を予測することはあまりせず、実際に困難やチャレンジングなことが起こると、興味を失ってしまうという事象が起きる(経験談)
        • ①②どちらも持ち合わせるか、得意な人とタッグを組み、飽きないようにする必要がある?

Action/Words

  • "If you want to be extraordinary, the first and hardest step is to stop being ordinary."
  • "It is not true that life is one damn thing after another - it’s one damn thing over and over."
  • "Experiments never fail"
  • "All of this experimentation may sounds like hard work. Sometimes you’ll be tempted to hide from it among the flock of the mediocre. That’s when you need another bit of the Logic of Different. Remember this: Mediocrity is hard. Creativity is easy."
  • "You just have to start. There’s no way to be sure which ideas will end up being good ones and which ones won’t. You just start with as many as possible. And those ideas attract other ideas."
  • "These people were not goal setters or planners; they were adventurers."
  • 着想を、それが僕の心に浮かんだとおりに定着できることは稀なのだ。仕事にとりかかるや否や、別のものが僕の画筆の下から浮かび上がるのだ。…描こうとするものを知るには、描き始めねばならない。 by パブロ・ピカソ