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ピープルウエア 第3版

感じたこと

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内容

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引用メモ

「どうも、システムの仕事での大きな問題は、技術的なものというよりも、社会学的なものなんじゃない
青色のハイライト | 位置: 389 もちろん、こんなことは実際にはあり得ない。この業界では、失敗の原因を追求しないのが不文律なの
青色のハイライト | 位置: 412 問題の本質を政治的ととらえると、どうしようもないと考えてあきらめてしまう。ソフトウエアの技術的な問題なら恐れることはないが、正直言って政治的な問題を自信を持って解決できるだろうか? 政治的問題ではなく、社会学的問題として事の本質をとらえると、もっと取り組みやすく
青色のハイライト | 位置: 420 マネージャーのほとんどは、技術面より、人に気を配っていると思い込んでいる。しかし、 本当にそうしているマネージャーは滅多にい
青色のハイライト | 位置: 469 知的労働者が時々ミスを犯すのは極めて自然で、仕事を真面目にやっている証拠である。しかし、仕事の上の誤りを、聖書で言う「罪」と同じように考えている人がいる。この考えを正すのは非常に骨が
青色のハイライト | 位置: 483 これと正反対のアプローチは、間違いを 恐れさせない ことだ。時々、どんな問題で行き詰まっているかを聞き、「特に問題なし」というのは決してよい答えではないことを十分納得させることである。そして、担当者が問題をぶちまけたら、「よくやった」と誉める。これも、彼らの給料のうち
青色のハイライト | 位置: 521 担当者一人ひとりの個性は、製造業でのマネジメント手法を、そのまま採用しようとするマネージャーにとって頭痛の種である。一方、本当に人を知るマネージャーは、ユニークな個性こそが、プロジェクト内の不思議な作用を活発にし効果的にすることをよく認識している。これはもっと奨励されてしかるべき
青色のハイライト | 位置: 527 プロジェクトの「一生」で唯一安定状態になるのは「死後硬直期」、すなわちプロジェクトが終わったときである。途中で打ち切りになるか、打ち切り寸前のプロジェクトに関係しているのでなければ、プロジェクトの静的な面でなく、 動的側面 に全神経を集中させること
青色のハイライト | 位置: 547 触媒 が重要なのは、いつも不安定な状態にあるプロジェクトのまとめ役を果たすからである。プロジェクトメンバーを結束させる能力のある人は、普通に仕事をする人の二人分の価値が
青色のハイライト | 位置: 567 企業で働いている人は、いつも手を動かしていないと仕事をした気にならない、という考えにとりつかれている。その証拠に、頭を使わなければならない計画立案、新技術の調査、研修、読書、見積もり、予算、スケジュール作成、人の割り当て、といったその他の仕事にあてている時間は、全部合わせても、会社で仕事をしている時間のたった5%にしかならない(5%という数値は、システム開発プロジェクトの分析から得た結果であるが、おそらくあらゆる分野のサラリーマンの仕事に、広くあてはまる)[ 注
青色のハイライト | 位置: 625 ビリー・ジョエルの歌で、「きみを待っているウィーン」とは人生の旅路の終着駅である。そこへ着くと、すべてが終わる。プロジェクトの連中が人生という大問題を真剣に考えてはいないと思っているマネージャーがいるのなら、もう一度考え直してほしい。一人ひとりが過ごせる人生は、ほんの短い間であることを、人々はちゃんと気付いている。また、今やっている馬鹿ばかしい仕事よりも、はるかに大切な何かがあることも、よく知って
青色のハイライト | 位置: 643 40 時間をはるかに超えて実のある仕事をすることは、生身の人間にはとてもできない。少なくとも、創造的な仕事に必要な張りつめた状態で、そんなに長い間続けて仕事ができるわけが
青色のハイライト | 位置: 680  ・もっと長い時間働くようにプレッシャーをかける。  ・製品開発を機械的なプロセスにする。  ・製品の品質について妥協する(第4章で詳しく述べる)。  ・手順を標準化する。  こうした方法は、仕事を面白味のない、やり甲斐のないものにする恐れがある。その結果、生産性を上げると退職率も上がる危険がある。このことは、退職という犠牲を払わないと、生産性を改善できないと言っているのではない。ただ、高い生産性を達成するには、退職も考えておく必要があるというだけで
青色のハイライト | 位置: 714 早くヤレとせかされれば、雑な仕事をするだけで、質の高い仕事はしない。  仕事を早くするためには、製品の品質と仕事の満足感を犠牲にせざるを得
青色のハイライト | 位置: 752 一方、作る側の品質論理は全く異なる。というのは、自尊心が製品の品質と非常に強く結び付いているので、開発者は自分の品質基準を当てはめる傾向があるからだ。プログラマーを満足させる最低基準は、今までに達成した最高の品質である。この水準は、マーケットが望み、金を払って手に入れようとするものよりも、ずっと
青色のハイライト | 位置: 803 品質はタダである。ただし、品質に対して喜んで金を出す人だけに対して。  品質に対して一円も予算を計上しない企業は、ゼロ円に値するものしか得られない。「品質第一、ただし時間さえ許せば」という方針の下では、およそ製品に品質が入り込む余地は
青色のハイライト | 位置: 823 英国の作家 C・ノースコート・パーキンソンは、1954年の著作で、仕事は与えられた時間に見合うところまで膨張する、という説を唱えた。いわゆるパーキンソンの法則である[ 注
青色のハイライト | 位置: 905 1985年のジェフリーとローレンスの研究の中で、最も驚くべきものは、最後に載せた研究である。これは 24 のプロジェクトについて、全く目標値を設定しない場合の生産性を調査したものであった。このプロジェクトは、他のどのプロジェクトよりもはるかに優れた結果を示した[ 注16](表5.3
青色のハイライト | 位置: 917 ◆ パーキンソンの法則をちょっと変えたら  パーキンソンの法則を少し手直しすると、どんな組織でも驚くほど真実味のあるものになる。    会社のルーチンワークは、就業時間に見合うところまで膨張する傾向が
青色のハイライト | 位置: 933 同じように、多くのマネージャーも「絶望の淵」に立っているので、生産性向上に利くと称する技術的ラエトライルのカモになる。効用を示す証拠を見せてもらえることはないが、生産性を渇望するあまり、証拠など無視して飛びつくの
青色のハイライト | 位置: 937 ある日、全く馬鹿げた思いつきで、生産性倍増をうたう商品の広告を集め始めた。あっという間に、切り抜きの山ができた。大幅な生産性向上をうたったものに、かくもいろんなやり方があるものかと驚いた。セミナー、研修コース、方法論、書籍、スケジュールボード、ハードウエアモニター、プログラミング言語、情報紙など、ありとあらゆる手段がある。その晩、地下鉄の中で、ニューヨークポスト紙の裏側に、まさに決定的といえる広告を見つけた。そこには「寝ているうちにヤセられる」と書いてあった。これを先の生産性倍増の広告主たちに、のしをつけて差し上げたい。 ―――――Timothy
青色のハイライト | 位置: 949 筆者は常々、企業文化が重要であると考えているが、企業文化を改善するのは極めて難しく、短期になかなか効果が上がらないからである。このため、つい雑誌に付いている生産性向上ツールの購入申込書を切り取り、多額の金を添えて送りたくなる。かくして、素晴しい生産性向上の仕掛けが送られてくる。そんなものは大した役には立たないが、安易で役に立たない解決策の方が、難しい方法よりも魅力的に見えるもの
青色のハイライト | 位置: 954 ◆ マネージャーが陥りやすい7つの
青色のハイライト | 位置: 1,004 できるような仕事をやっている、という思い込みである。開発者の主な仕事は、ユーザー流の表現で表したユーザー要求を、厳格な処理手順に組み替えるための、人と人とのコミュニケーションである。これは、どんなにソフトウエア開発のライフサイクルを変えようと、絶対に必要な仕事であり、自動化できるはずが
青色のハイライト | 位置: 1,023 シャロンは、本能的に優れたマネージャーなら知っていることをよく知っていた。つまり、マネージャーの役割は、人を働かせることにあるのではなくて、人を働く気にさせることで
青色のハイライト | 位置: 1,038 遅れの原因、限りなし    回復手段、何も
青色のハイライト | 位置: 1,112 私たちのように、毎年何十もの企業を訪れていれば、現代のオフィス設計では、利用者の利便性を無視するのが当たり前になってきているように感じる。「知的労働者」に割り当てられるオフィスは、例外なく騒々しく、邪魔が入りやすく、無味乾燥で、プライバシーのかけらもない場所である。多少のきれい、きたないはあっても、とても機能的とは言い難く、そんなオフィスでいい仕事ができるわけがない。プログラマーたちは、折り畳み机が2つあってドアが閉まれば、静かで小さな穴倉のようなところでコツコツと働ける。しかし、彼らに実際に当てがわれるのは、「 73 個の部品がついてこの価格、簡単便利ワンタッチ間仕切り部屋」なの
青色のハイライト | 位置: 1,141 意外なことに、残業の真の目的は、仕事の 量をこなす よりも 品質向上 のためなのだ。これは、まわりの連中がよく口にする言葉からも明らかである。   「一番仕事がはかどるのは、まだ誰も出社していない早朝だ」   「深夜なら、2、3日分の仕事を一気に片付けられる」   「オフィスの騒々しいことといったら、まるで動物園のオリの中だ。でも、夕方の6時を過ぎるころから静かになり、一つのことに没頭
青色のハイライト | 位置: 1,207 これから得られた次の3つの経験則は、個人のサンプル集合における作業能力のバラツキを推定するのに役立つ。  ・最優秀者の測定値は、最低者の約 10 倍である。  ・最優秀者の測定値は、平均的プログラマーの約2.5倍である。  ・上位半分の平均測定値は、下位半分の平均の2倍以上で
青色のハイライト | 位置: 1,258 すなわち、同一企業の二人には生産性のバラツキはなく、ほぼ同じと考えられる。これが意味するのは「優秀なプログラマーはある特定の企業に偏在し、また、そうでないプログラマーも別の企業に偏って分布する」ということだ。1981年に、ハーラン・ミルズはこの現象を次のように予見していた。    プログラマーの能力差が 10 倍であることは理解できるが、企業自体の生産性にも 10 倍の開きがある。     『ソフトウエアの生産性』(Software Productivity)[ 注
青色のハイライト | 位置: 1,331 しかし、小説に登場する人々は、環境破壊がどれほど進行しようと、何も言わなかった。従順な羊の大群のように、ブルナーの世界の住人は、生き残れる可能性がすべてなくなるまで環境問題には見向きもしなかった。そのとき初めて気が付いたのだ。ブルナーの小説のタイトルは『空を見上げた羊』(The Sheep Look Up)で
青色のハイライト | 位置: 1,435 オフィスの騒音が仕事にならないほどひどくなると、誰もが静かな場所を見つけて雲隠れする。会議室を予約して中にこもったり、図書室へ足をむけたり、果ては、コーヒーを飲みに行くと出かけたまま戻らなかったりという具合だ。といっても、人目を忍んでデートしているのでもなければ、反政府運動に加担しているのでもない。ただ、 仕事に集中するために身を隠す のである。ここで注目すべきは、プログラマーたちが仕事を完成させた達成感を必要としていることだ。それを手に入れるためならば、彼らは極端にも走る。うるさくなったら、彼らはどこであれ仕事のできる場所を探そうとするの
青色のハイライト | 位置: 1,544 表10.1は、オフィスの騒音という観点に立つと、非常に重要な意味を持つ。つまり、一日の労働時間のうち、 30%は騒音に神経をとがらせるが、残りの 70%は逆に騒音を出す側にまわる。オフィスには、一人で黙々と仕事をしている人もいれば、2、3人で討議しながら進める人もいるため、作業態勢はぶつかり合う。これにより、被害を受けるのは、一人で仕事をしている人だ。ある時間を切り取って見ると、単独作業をしている人は少数派だが、かといって無視することはできない。 本当の意味での仕事は一人のときにできる ためである。複数人数による仕事は、別の言い方をすると、次の仕事の準備、休憩、あるいは、暇つぶしなの
青色のハイライト | 位置: 1,595 フロー状態とフローに入る過程の状態の二つの状態に注目すると、ソフトウエア開発に実質的に費やされる時間を現実的に算出することができる。 机の前に何時間座っていたかはどうでもいいことで、 全神経を集中して仕事に取り組んだ時間 が重要なのだ。フロー状態で1時間仕事に打ち込んだなら、かなりのことができるが、6分仕事をしては中断するということを 10 回繰り返し、計算上では 60 分の仕事をしたとしても、実際には何もできてい
青色のハイライト | 位置: 1,607 肉体労働時間の代わりに精神集中時間を記録すると、次の二つの御利益が
青色のハイライト | 位置: 1,658 ある午後、私は、例によって、机に張り付いてプログラムを追いかけていたが、ウェンデルは机の上に足を放り投げて一点空をにらみつけていた。そのとき上司が部屋に入ってきて、「ウェンデル君、君は一体何をしているんだ?」「はあ、ちょっと考えごとです」「いいかい、そんなことは家でやるんだ、家で」 ―――――Tom
青色のハイライト | 位置: 1,663 近頃よくお目にかかるオフィスは、あまりに騒々しく、また、邪魔が入るため、落ち着いて物事を考えることは不可能である。もうこれが限界だ。毎朝、社員は肩の上に脳ミソを乗せて会社へやってくる。環境の善し悪しを表すE係数をオフィスで測定する習慣をつけるだけで、余計な費用など全くなしに、彼らは会社のために脳ミソを使ってくれるようになるので
青色のハイライト | 位置: 1,739 電話が仕事のやり方を変えてきたのは当然だが、電話が割り込んでくることがどれほど悪影響を及ぼすかについて人々が無感覚になってしまったのは、まずいことだった。最低限、マネージャーは、電話がかかってくると部下の生産性がどれだけ低下するかについて問題意識を持っていなければなら
青色のハイライト | 位置: 1,769 私たちは、電話をかける前に自問自答することを覚えなければならない。この手の情報や質問は、相手に割り込むだけの意味があるのか? 答えを待っている間、仕事を続けられるか? このメッセージは今すぐ伝わっていなければならないものか? そうでなければ、問題を起こさずにどれだけ待てる
青色のハイライト | 位置: 1,901 現場の人々にレイアウトを任せても、会社にとって困ることはなさそうだ。しかし、予言しておこう。会社の上層部の誰かが、そんなことはとんでもないと言い出すはずだ。何が気に入らないかというと、神聖なる均一性の原則が破られること
青色のハイライト | 位置: 2,097 会食なしには、いかなる人間集団も団結を保てない。……すべての組織や生活集団に、集まって食事のできる場所を用意すること。会食を定例の行事にすること。特に、仕事場では昼食会をはじめること。そうすれば、共用テーブルに並ぶ本物の食事(弁当箱や自販機や紙袋から出す食事ではなく)が大切で快適なものになり、客を招くことが毎日の行事に
青色のハイライト | 位置: 2,178 マネージャーが、いくらかでも意味のある方向に部下の人格を変えられることはまずない。部下が部下としてとどまる年月はあまり長くないし、また、マネージャーも部下の本質的な人格を変化させるほどの影響力を持てないのが普通である。したがって、部下の本質は、部下として過ごした期間に関係なく、その終わりの状態は始めと大して変わらない。もし、彼らが最初の時点でその仕事に向いていなければ、ずっと向いてい
青色のハイライト | 位置: 2,201 なく、組織が潜在的に組織としての「標準」を押しつけている傾向があるからである。雇われた人々は、あなたの小さな帝国の一部となり、上司の帝国の一部となり、さらに職制をさかのぼってその上司の帝国の一部となる。あなたの「標準」は、あなた自身のものではない。あなたは、自分の上にある会社の全組織階層を代表して人を採用している。あなたが新しい提案をしようとするたびに、上司たちから感じられる標準があなたに影響を与える。この無意識のうちの圧力が、会社の平均像に近づけるように働き、ほかの社員と同じような見かけ、しゃべり方、考え方を持った人々の採用を助長する。企業文化が健全な企業では、この影響は無視できるほど小さい。しかし、不健全な企業文化の下では、他の社員と同じような考え方ができない人物、すなわちもっとも重要な人物を採用することは不可能で
オレンジ色のハイライト | 位置: 2,208 画一性へのこの
オレンジ色のハイライト | 位置: 2,230 上の階にいる上位マネージャーがかすかなポップコーンの匂いを嗅いで、メモで「ポップコーンはプロフェッショナルでない。したがって、今後は焼くべからず」と指示した。 ―――――Timothy
オレンジ色のハイライト | 位置: 2,267 仕事の現場でリーダーシップが発揮されることはまずないが、リーダーシップはどこに行っても話題になる。企業は、始終リーダーシップを話題にして
オレンジ色のハイライト | 位置: 2,314 イノベーションはリーダーシップであり、リーダーシップはイノベーションだ。片方がまれなのはもう片方もまれだからである。  イノベーションは、話題になる頻度と実行される頻度の比率がリーダーシップ以上に悲惨なことで知られる。ほとんどの会社の上層部は、イノベーションについて非常に見事な美辞麗句を
オレンジ色のハイライト | 位置: 2,339 財産を築いたチャーリーと人生に失敗したウィリーのコントラストは、彼らの子供たちにも反映しており、ウィリーの息子のビフはひどく落ち目だが、チャーリーの息子のバーナードは弁護士として成功を収めている。チャーリーは貸す金を作り、バーナードが連邦最高裁で弁護に立つためにワシントン D. C.に行っていることをウィリーに誇らしげに語る。あの、連邦最高裁を想像してみよう。    ウィリー:‥ 最高裁! 彼はそんなこと言いもしなかった。    チャーリー:‥ 言う必要はないんだよ。行くんだ
青色のハイライト | 位置: 2,347 企業がリーダーシップの自然な成長を本気で認めるつもりがあるのなら、リーダーシップについての熱い空言をそんなに吐き出す必要はないの
青色のハイライト | 位置: 2,406 面接のときに、一人ひとりに仕事のサンプルを持ってくるように指示することよりも賢明なやり方が他にあるだろう
青色のハイライト | 位置: 2,413 たいていの適性検査は、応募者が採用された直後に行う仕事を対象としている。検査は、その人が統計分析、プログラミング、その他要求された職務をうまくやれそうかどうかを
青色のハイライト | 位置: 2,418 その人物は、適性検査で測られた作業を2年間で終え、他の作業を 20 年間やることになるかもしれ
青色のハイライト | 位置: 2,517 ある世代のテクノロジーは、次の世代の環境と
青色のハイライト | 位置: 2,554 会議に集中していないということは、職業倫理の問題というよりも、機能不全の会議が常態化するという問題と考えるべきだ。立ったままで会議するとか、ラップトップ禁止にするなら、労働契約を守るという点でもよいだろう。しかし、そのような動きが必要になるなら、会議に対する考え方自体を見直さなければならないと考えるべき
青色のハイライト | 位置: 2,635 重厚で成熟しきった会社が産み出す製品が、平均 20 歳代、経験1~2年の社員によって開発されている、といったことは、決して珍しくない[ 注
青色のハイライト | 位置: 2,698 移転日以前に辞めた人の数から、直ちに移転のコストが計算できた。移転した人との割合で表現すると、当初の退職率は、第一次世界大戦でのフランス軍の塹壕陣地における損失率よりも大きかった。 ―――――Tom
青色のハイライト | 位置: 2,736 短期的に見れば、再教育が必要な人をクビにして、既に必要な技能を持っている人を雇った方が安上がりだ。ほとんどの組織はそうやっている。しかし、最良の組織はそうはしない。再教育がずっとい続けるという気持ちを育て、結果として低い退職率と強いコミュニティ感覚を生むことを認識している。そして、それがコストの問題よりもずっと大切であることをよく認識して
青色のハイライト | 位置: 2,783 ここで重要なのは、経理部門が国税庁や株主に対しこういった支出をどのように報告しなければならないかではなく、マネージャーが会社の社員への投資をどう考えるかだ。人的資本は非常に大きな意味を持ち得る。誤って消えてなくなる経費と考えると、投資した価値が残らないような行動にマネージャーを誘導する危険が
青色のハイライト | 位置: 2,789 は、一般に「損益意識」と呼ばれているが、私たちは「種もみを食うようなこと」と呼び
青色のハイライト | 位置: 2,871 挑戦はチームのメンバーに 一緒になって努力する 目標を与えるからこそ重要なのだ。挑戦は、チームを一つにまとめる道具である。メンバーが最大級の楽しさを感じ、力の上限を発揮できる最高のチームでは、チーム内の相互作用がすべてである。全員が力を合わせて仕事に打ち込み、最後まで頑張り、大きな困難に打ち克つのも、それがあるから
青色のハイライト | 位置: 2,906 部下が、放っておいても組織の目標を受け入れると思うのは、未熟な楽観主義の表れである。個人が組織の目標を引き受ける仕組みは、はるかに複雑で
青色のハイライト | 位置: 2,945 プロジェクト内の注意を会社の利益に引き付け直そうとしたことは、何の役にも立たなかった。成功をつまらなくて意味のないものにしただけであっ
青色のハイライト | 位置: 2,948 企業の目標は、一般の社員にはいつもどうでもよいものに思われる(そもそも会社自体、彼らにとってはどうでもよいものに見えるが)。しかし、目標が独断的だからといって、誰もその目標を受け入れないわけではない。もしそうなら、誰もスポーツなどしないだろう。スポーツの目標はいつも本当にどうでもよいものである。神様は、小さな白い球がアルゼンチン側のゴールポストに入ろうが、イタリア側に入ろうが、知ったことではない。けれども、非常に多くの人々が結果に夢中になる。彼らの熱は、所属する社会組織によるもの
青色のハイライト | 位置: 2,979 よいチームには、 選ばれた者という感覚 がある。チームのメンバーは、自分たちが、何かユニークな集団の一員であり、並みの連中より優れていると感じている。チーム以外の人には少し不愉快になるくらい、SWAT的な鼻っ柱の強さが
青色のハイライト | 位置: 3,071 この章の基本構想自体に、間違いがあることが明らかになった。チームを結束させることなどできないのだ。結束するように期待したり祈ったりはできるし、チームの結束の可能性を高めるように行動することもできるが、現実に結束させることはできない。チーム結束の過程は、コントロールしようとすると、すぐにこわれて
青色のハイライト | 位置: 3,080 て、エドワード・デボノの『水平思考』にある 逆転の発想 を試した[ 注51]。問題を解決しようとして壁にぶち当たったとき、目標を達成する方法を探すのではなく、正反対の目標を達成する方法を探すことをデボノは提唱して
青色のハイライト | 位置: 3,086 チーム形成を妨げプロジェクトを崩壊させる確実な方策を、いくつも挙げることができた。同類のものをグループ化して一つの戦略を作り、それを チーム殺し と名付けた。要約すれば次のものである。  ・守りのマネジメント  ・官僚主義  ・作業場所の分散  ・時間の分断  ・製品の品質削減  ・はったりの納期  ・チーム解体の
青色のハイライト | 位置: 3,132 その分類項目の一つに「 ペーパーワーク」がある[ 注52]。何を書くかを決定するという知的労働は、分析、設計、テスト計画のような他の仕事として分類されていたので、ジョーンズがペーパーワークと呼んだものは、頭を使わず機械的にドキュメントを作ることだ。言い換えれば、ジョーンズの「ペーパーワーク」の項目は純粋な官僚主義である。ジョーンズは、ペーパーワークはシステム開発作業のうち2番目に大きな項目であり、製造原価の 30%以上を占めると述べて
青色のハイライト | 位置: 3,141 ないところもある。  頭を使わないでどんどんドキュメントを作ることは、人間の能力の浪費である。人に仕事らしい仕事をさせないという理由から、責められてしかるべき
青色のハイライト | 位置: 3,254 実質に対する形式の勝利
青色のハイライト | 位置: 3,359 チーム殺しの効果を持つマネージャーの行動をまとめてみよう。  ・年次の給与の見直し、メリットレビュー  ・目標管理  ・大きな業績を残した社員の表彰  ・成績に密着した表彰、賞、ボーナス  ・あらゆる形態の能力評価  ちょっと待った。これは、マネージャーが多くの、というか大部分の時間を費やしていることではないのか? 残念ながら、その通りだ。そして、こうした行為こそが、やがてはチーム殺しを引き起こすことになるの
青色のハイライト | 位置: 3,369 マネジメントや技術に携わっている人々から、仕事に誇りを持つ権利を奪う障害を取り除け。これは、[とりわけ]年次評価、メリットレビュー、目標管理を廃止せよということ
青色のハイライト | 位置: 3,477 ここで述べる裃を脱ぐというやり方は、守りのマネジメントとは正反対のものである。信頼して仕事につけたからには、その人から自分を守る手段を講じたりはしない。すべての部下は信頼されている。信頼できず自主性を与えられないような人は、マネージャーの役には立た
青色のハイライト | 位置: 3,598  次の6項目は、かなり単純化されたものだが、健全な会社にするための化学反応を生みだすための要素を挙げたものである。  ・品質至上主義を作り出す  ・満足感を与える打ち上げをたくさん用意する  ・エリート感覚を醸成する  ・チームに異分子を混ぜることを奨励する  ・成功しているチームを守り、維持する  ・戦術でなく戦略を
青色のハイライト | 位置: 3,772 メソドロジーとは、あらゆる頭脳集約型作業をどのように進めるかについての一般的なシステム理論だ。その作業をいつどこで誰がやるかに関係なく、各作業についてなすべきことをこと細かに規定した、分厚いマニュアルで
青色のハイライト | 位置: 3,828 責任観念:‥ メソドロジーによる作業がうまくいかなければ、誤りは人ではなく、メソドロジーにある(すべてを決めているのはメソドロジーなので)。そのような環境では、実際、誰も責任を負っていない。人は責任を引き受けたいと思うものだが、成功をつかむための自由裁量の余地がある程度なければそうは思わ
青色のハイライト | 位置: 3,862 作業方法の統一を実現するもっとうまいやり方は次の3つである。 教育研修:‥ 人は、やり方をよく知っていることを行う。もし、方法の核心的なところを全員に教育すれば、彼らはその方法を使うようになる。 ツール:‥ モデリング、設計、実装、テストのための自動化ツールを使う方が、紙の規則を渡すよりも、手法の統一が実現できる。 ピアレビュー:‥ 活発にピアレビューを実施する組織( QC サークル、ウォークスルー、インスペクション、技術フェアなど)があるところでは、方法が自然に統一される傾向が
青色のハイライト | 位置: 3,911 私たちの本、『Waltzing With Bears:‥ Managing Risk on Software Projects』(『熊とワルツを─リスクを愉しむプロジェクト管理』)は、2つの相反する行動を問題視している。リスクマネジメントなしでリスクを引き受けることと、野心的なことは何もできなくなるようなリスク嫌いで
青色のハイライト | 位置: 3,943 私たちがマネジメントし損ないがちなリスクとは、自分自身が失敗するリスクで
青色のハイライト | 位置: 3,949 自分自身が失敗するリスクを考えることは敗北主義のように見えるため、リスクリストにはそれが載らないのだ。そもそも、あなたは、確実に仕事をすることを保証するために仕事を任されている。それが与えられた責任なの
青色のハイライト | 位置: 4,006 最悪の会議は、たわいもないことをべらべらとしゃべる人を寄せ集めたような感じになる。話を聞いている人はおらず、誰もが話しているか話す順番を待っている。話したい人が多すぎるので、会議の時間は無限に延びて
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,008 誰もが会議に時間が潰されるのを残念に思っているが、多くのマネージャーは、会議を必要悪と言い訳する。会社がやろうとしていることはとてつもなく複雑なので、必要だというのである。とてつもなく複雑とは、もちろん全員の地位を決めることなので、それが会議を正当化する言い訳に昇格すると、誰も会議以外の方法を提案する気になれなく
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,026 問題は、今日の会議で当然と考えられているテクノロジーは、実際にはあまり会議を改善していないことだ。テクノロジーは、単にまわりで起きているピントのずれた会話から人々が逃避するための手段を提供しているに過ぎない。テクノロジーによって広がったのは、会議のひどさだ。私たちの会議は、一世代昔よりもひどくなっているが、それは当時の人々がひどい会議に我慢しておらず、反抗の姿勢を見せていたからだ。  今日私たちが当たり前と思っていることをしただけで、一世代前にはクビになっていただろ
オレンジ色のハイライト | 位置: 4,042 意味のある会議は、決定に到達するために招集される。では誰を招集すべきなのだろうか。簡単なことで、決定を下すために同意を得て置かなければならない人々である。それ以外の人々はいらない。死角に入る人を作らないように、意味のある会議では、その目的に沿った検討課題リストを作り、そのリストに従って会議を進める。こうすれば、リストに入っていないテーマは議論されないことがはっきりするので、会議に出席し損ねる危険はなくなる。守りを固めて会議に出席する必要は
青色のハイライト | 位置: 4,047 意味のある会議には、素敵な特徴がある。いつ終わったかがわかるの
青色のハイライト | 位置: 4,140 本当に有効な会議は、 出席者全員 が何らかの問題を一緒に討議するだけの理由がある時に開かれる。ミーティングの目的は、合意に達することだ。そんな会議は、定義からも明らかなように、臨機応変に開く。臨機応変ということは、定期的ではない。従って、定期的なミーティングには、コンセンサスのための会議ではなく、多かれ少なかれ、儀式的要素があるのではないかという疑いがある。毎週の工程会議がその典型だ。工程会議の目的は、工程の状況を報告することだが、本当の意図は工程の再確認にある。しかも、状況とは、仕事の状況ではなく、上司の状況なの
青色のハイライト | 位置: 4,207 プロジェクトの人員に投資した人的資産にも莫大な金がかかっている。数千人の知的労働者を雇用している会社は、最新鋭の超大型ジェット旅客機に投資しているのと同じくらいの投資をしている。知的労働者の時間を無駄にすることは、金をドブに捨てるようなもの
青色のハイライト | 位置: 4,257 CC 行にあなたのアドレスを追加した人の頭の中では何が起きているのだろうか? さまざまな可能性があるが、大半はあまり感心したものではない。  ・「これを送りつけなければ、私が働いていることが認めてもらえないじゃないか」  ・「自分が知らないことが起きていると不満を言う人が出てくるので、これを送らないわけにはいかないな」  ・「ここはオープンな組織なので、全員がすべてのことを見なければならないんだよ」  ・「この文章は、私が書き手としてすばらしいということを示しているので、広く多くの人々に見せ
青色のハイライト | 位置: 4,274 人生は短い。何かをするためにすべてのことを知らなければならないのなら、大したことはできないだろ
青色のハイライト | 位置: 4,396  一般的に、どのような改善にも変化に巻き込まれる人たちがいる、ということを思い起こすのはいいことだ。    変われない人は、決して進歩できない ―――――Tom DeMarco(
青色のハイライト | 位置: 4,436 サティア・モデルが極めて重要な理由は、変化には「混乱」が絶対必要な部分だということを警告したことだ。素朴な2ステージモデルでは、混乱が想定外になる。混乱が始まったときに、それを「新しい状況」になったものと誤解してしまう。そして、「新しい状況」がひどいので、「しまった、どうもしくじったらしい。もとに戻そうじゃないか」と考える。もとに戻そうというメッセージは、野心的な変化の最中に、必ず大声ではっきりと聞きとれる。あなたがそのメッセージに気をつけていると、そうした状況をうまく対処できるチャンスが
青色のハイライト | 位置: 4,463 学習能力のある組織もあれば、ないところもある。学習したことは、漠然とはわかるのだが、学んだことによって自分たちを変えることができない組織もある。学習能力はあるが、学習するのと同じ速さで忘れていく組織もある。学習能力がある組織にいるか、ない組織にいるかは、生きるか死ぬかの重要な問題である。学習とは、極めて重要な改善メカニズムであり、学習しない者に将来の繁栄は
青色のハイライト | 位置: 4,623 会社の誰もが好ましく感じ、大切に思い、忠誠を誓うコミュニティを作ることは、まさに偉業である。人生で成し遂げたことのなかでも、これは非常に大きな業績として感じられるに違いない。この偉業から受ける喜びは、ミケランジェロが素晴らしい絵を描き上げた瞬間に感じた歓喜のように、そのときの金銭的価値とはあまり強く結び付かない。死のベッドで、自分にこう言うはずだ。これは創造であり、芸術なのだ。これを作った人間は芸術家なのだ
青色のハイライト | 位置: 4,851 大学の同級生が最近、同期会を計画した。その夜、顔を見せた 20 人の中でこれまでの意味での「仕事」に就いていたのは一人しかいなかった。他はみな、自営業か、フリーランサーか、あるいは個人でサービス契約をしている者など、伝統的な会社員以外のことをしていた。 ―――――Tom
青色のハイライト | 位置: 4,874 極端な例では、白紙小切手のように職務内容が完全に本人に委ねられていることがある。バリバリ働くヤル気十分の人間が社内にいたら、「自分がやりたい仕事をしろ」というだけで十分である。私たちの同僚のスティーブ・マクメナミンは、このような仕事師たちを「自由電子」と名付けた。自分自身の軌道を自分で選択するからで
青色のハイライト | 位置: 4,941   「鍛錬だって?」   「そうです。例えばジョギングとか重量挙げ、といった体のコンディションを維持するための」   「君は、どうもわかっていないようだね。私は牛と格闘しているんじゃないよ」  私たちが進めようとしているタイプの変革を後押しするためのポイントは、牛と格闘しないようにすることだ。あなたは間違いなくそれほど強くない。  一人が単独で行動しても、意味のある変化はほとんど起こらない。だが、何も一人で行動する必要はない。何かひどく具合の悪いことが起こったとき(作業スペースでのひどい騒音など)、それについてみんなの関心を集めるのは簡単だ。そうなれば、それはあなただけの問題ではなく、みんなの問題に