シッダールタ

感じたこと

カーマスワミは読んだ。「書くことは良い考えることはなお良い。賢明さは良い。忍耐はなお良い」
友よ、想起するがよい。形あるものの世界は無常だ。われわれの装いは、髪の形は、われわれの髪や肉体そのものは無常だ、極度に無常だ。
知識は伝えることができるが、知恵は伝えることができない。知恵を見いだすことはできる。知恵を生きることはできる。知恵に支えられることはできる。知恵で奇跡を行うことはできる。が、知恵を語り教えることはできない。
一つの真理は常に、一面的である場合にだけ、表現され、ことばに包まれるのだ。思想でもって考えられ、ことばでもって言りんねわれうることは、すべて一面的で半分だ。すべては、全体を欠き、まとまりを欠き、統一を欠いている。
一つの石を私は愛することができる、ゴーヴィンダよ。一本の木や一片の樹皮をも。―それは物だ。物を人は愛することができる。だが、ことばを愛することはできない。だから、教えは私には無縁だ。教えは硬さも、柔らかさも、色も、かども、においも、味も持たない。教えはことばしか持たない。