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反対尋問 (ちくま学芸文庫)

感じたこと

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内容

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引用メモ

もし、あらゆる証人が真実を語り、真実の一切を語り、真実以外のなにものをも語りません。という宣誓の精神ばかりか、文字どおりこの言葉をすすんで守りぬく誠実さと知性とをもっていれば、そしてまたどちら側の弁護士もみんな誠実さと知性に、必要な経験 をも兼ね備えており、証人同様、真実の一切を、真実のみを、解明するよう誓いを立てさ せられれば、もちろん反対尋問などの機会はないし、反対尋問家などという職業もなくな ることだろう。しかし、今日までのところ、虚偽と真実を見分け、誇張された陳述をその 真の姿に戻す方法として、反対尋問に代わる手段は見つかっていないのである。 p34
そのためには、たいへん高度な才智、論理的に物を考える習慣、知覚の鋭敏さ、無限の 忍耐と自制力、他人の心を直観的に読みとり、顔から性格を判断し、動機を理解する能力、 力強く正確な行動力、当面する問題そのものの細部にまでわたる知識、細心の注意、そし てとりわけ、尋問中の証人の弱点を見抜く直観が要求される。