まとめ
- コーチングとは、対話を重ねることを通して、クライアントが目標達成に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセスである
- コーチングは単なる技術ではなく、そもそものマインドセットと、それを表す身体性とがセットになって深化を発揮するものである。傾聴や質問だけをフォローしても、目標意識が足りなかったり信頼関係が不足すると有効なコーチングにはならない
- コーチングの機能と特徴は下記
- コーチングは「知識」と「行動」の間の溝を埋める
- コーチングは、強制ではなく放置でもない「第三の選択肢」を探す
- コーチングは、「本当に思っていること」を明らかにする
- コーチングは、対話を通じて「想い」を「決意」に変える
- コーチングは自己を客観視させ、選択の検討に向かわせる
- コーチングは、2人で1つのキャンバスに向かうイメージで行う
- コーチは、クライアントの長期的成長の支援も視野に入れる
- コーチングを機能させるためには、相手の精神状態・成長段階・課題領域が基準として揃っている必要がある
- コーチは、クライアントの可能性に着目し続け、相手に対して貼ったラベルを貼り直し続け、成長を指摘し、見ようとするものを見る。そしてクライアントの中に成長のエンジンを築く
- コーチが持つべき3つの視点:PBP
- Possession:どのようなスキル・知識・人脈を持っている人なのか
- 理想の状態に近づくために自分に必要なものはなにか?
- 目標達成のためにはどんな分野の情報が必要ですか?
- 自分が今持っている知識やスキルで使えそうなものはなんですか?
- Behavior:どのような行動をしているのか
- やろうと思っていて実行できていないことはなんですか?
- 目標を達成するために今日からできることはなんですか?
- 次回のセッションまでにどんなことをやりますか?
- Presence:どのような信念・価値観・ものの捉え方をしているのか
- あなたが大事にしている価値観はなんですか?
- 座右の銘はなんですか?その理由は?
- 環境の変化に合わせて、自分が変化すべきことは何でしょうか?
- その目標を達成することは、あなたにとってどんな意味がありますか?
- 上記3つのうち、目標達成のために何が不足しているのかを常に見極める。そしてスタンスを変える
- 行動を起こすまでの4つの壁
- コミットメントの度合いが低いために行動が起こらない
- やる気はあるものの、何をしたらいいのかわからない
- 知識・スキルをどう使ったらいいのか、具体的にわからない
- 変化を起こせない
- 行動を引き起こすためにいくつかのガイドを促していくのも手
- Possessionの利用を促す
- 使っていないPossessionを見つける
- 宣言することで「現状維持のバイアス」を乗り越える
- 約束を守ろうとする気持ちが働く
- 行動が具体化する
- コーチがクライアントのコミットメントを知ることができる
- Presenseの背景には過去の成功・失敗体験がある
- コーチングの「心」三原則:双方向・継続性・個別対応
- 双方向:対等の立場で相手の言葉を受け取り、相手の自走状態に貢献する
- 無意識を顕在化させるための対話
- たくさんアウトプットさせること
- パラクラインを促すことで、オートクラインも同時に促されていく
- オートクラインを起こすためにも信頼関係が必要となる
- 継続性:意欲の向上とズレの修正を通じて目標達成を目指す
- 意欲の向上はマズローを意識しながら。アクノレッジメントを示しながら。所属の欲求・自我の欲求を認めてあげること
- ズレを感じたときには元の基軸に戻すためのリクエストを
- 個別対応:相手のタイプや特性を踏まえてコミュニケーション特性を考える
- コントローラー:行動的で自分が思ったとおりにしていきたい
- プロモーター:自分のオリジナルなアイデアを大切にする
- アナライザー:分析、計画を重視する
- サポーター:協力関係を大切にする
- 基本プロセス(コーチング・プロセス)は6つのステップから成る。特に目標・現状の明確化とギャップの原因分析は丁寧に進めていくこと。
- セットアップ:お互いの信頼関係の構築や進め方に関する合意形成など
- 目標の明確化:HopeやHave toではなく、Wantを語ってもらいたい。
- このコーチングであなたが達成したい目標はなんですか?
- 何のためにその目標を達成したいのですか?
- 目標を達成することで何を手に入れることができますか?
- 目標の達成度合いを計測する基準はなんですか?
- 現状の明確化
- 目標が達成された状態を100店とすると現状の点数は何点ですか?
- 目標の達成に向けてこれまでに取り組んだこと、現在取り組んでいることはなんですか?
- 取り組んだ結果、これまでにどんな変化や進展がありましたか?
- 現在あなたが取り組んでいることに対して、あなたのステークホルダー(利害関係者)はどんな評価をしていますか?
- ギャップの原因分析
- 目標と現状の間にギャップが生じている原因は何だと思いますか?
- 目標を達成するためにあなたが買えなくてはいけない習慣はなんですか?
- 目標の達成を妨げているあなた自身の課題はなんですか?
- あなたのステークホルダーが認識している課題は何だと思いますか?
- 行動計画の作成
- 早速今日から始められる行動、辞められる行動はなんですか?
- その行動をいつ、どこで、誰に対して実行しますか?
- その行動をさらに効果的にするために工夫できることはなんですか?
- 次回のコーチングまでに達成することはなんですか?
- フォローアップ
- 目標達成に向けて、今日のコーチングでは何をテーマとして扱いたいですか?
- 前回立てた行動計画を実行してみてどうでしたか?
- 次のセッションまでにどこまで前進したいですか?
- そのために解決しなくてはならない課題はなんですか?
- その課題を乗り越えるために取るべき行動はなんですか?
- コーチングの代表的なスキルセット
- 傾聴:全身全霊を向けて相手にアウトプットしてもらう
- 聴くことに集中する
- 相手の話の先読みや結論の先取りをせず最後まで聞く
- 相手のノンバーバルな情報を受け取る
- 聞いているというサインを送る
- 沈黙を共有する
- ペーシング:言語/非言語を使い相手に波長を合わせ、信頼感や安心感を醸成させる
- 質問:質問を通じて相手の考え方を明らかにする
- アクノレッジメント
- 存在承認
- 成長承認
- 成果承認
- フィードバック
- クライアント自身が第三者視点を必要としていること
- 行動変容が可能であること
- 忠告や命令にならないこと
- 適切なタイミングであること
- 伝わっているかどうかを確認すること
- 時制に注意すること
- 提案
- Yes/Noは受け手に委ねる
- 許可をとってから提案する
- 提案は1回に1つ
- 提案の内容を明確にしてから提案する
- 正論ではなくストーリーを伝える
- 要望
- ストレートに短く伝える
- 期待を込めて伝える
- 必要があれば繰り返す