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アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

感じたこと

  • 中国のサービス事例がたくさん。User Experienceの最先端は中国にあるんだろうなぁと思っていたのが確信に変わってきた。いかなきゃ、杭州あたり。
  • もともとの既存事業のクオリティが低い/ばらつきが大きいからこそイノベーションの余地がある。医療分野で、整理券をとってから受診できるまで7日かかる、というのはびっくり。
  • 単発売上→LTV、販売ありきのカスタマーサポート→カスタマーサクセス、プロダクト→顧客体験、チェーン→ジャーニーなど、キーワードがたくさんあってよかった。体に染み込ませておこう。
  • 小売・医療あたりは中国・東南アジアを継続リサーチしている。続けていこう。
  • アリババのUED大学、ぜひ入学したい...
  • ビービットさん、アジアで戦っていらっしゃるなぁ。すごい。

内容

  • 以下の言葉に変革の内容が現れている。データベースの改善をどれくらい高速に回していけるかが勝負。
    • "「顧客接点データを多く持ち、それをエクスペリエンスの良さに還元する」という新たな改善ループをいかに高速で回せるか。これが新しい競争原理です。競争原理が変われば、当然産業構造は変わります。これまではメーカー主導で、バリューチェーンの上流のほうが偉く、顧客接点側はヒエラルキーの低い位置にいました。これからは顧客接点を多く持っているプラットフォームが偉くなり、単にモノを作っているだけのメーカーは「接点のうちの1つ」となる商品を提供する下請けになります。この新しい構造変化を、私たちは「バリューチェーンからバリュージャーニーへ」という言葉で表現しています。" (Kindle位置:35)
    • 「モバイルもPCもコンビニも、デジタル処理できるならすべて同じユーザーインターフェースである」(Kindle位置:1,125)
    • 「アフターデジタルにおいてリアルチャネルは、『密にコミュニケーションを取れる貴重な接点』であり、高い体験価値や感情価値が求められるようになる」(Kindle位置:1,446)
    • その一つの形がOMOであり、ニューリテール。
  • ジーマ・クレジットはディストピアにつながるのか。現実的にはゲーム感覚で楽しまれている感じ。このサービスによって、民度も着実に上っている。行動変容
    • C2Cサービスでも「ジーマ・クレジットで700以上の人のみ」のようなケースも
    • SNSで自分のスコアを開示している人も。まさに信頼を築くためのスコアに。
  • オンラインはオフラインの付属(O2O的な)ではなくOMO(Online-Merged-Offline)に。Online/Offlineは提供者側のチャネルの話で、受け取り手であるユーザーは「その時・その場で最適なチャネルを選択する」だけの話。ユーザー中心で考えるとその区分に意味はない。とにかくユーザー中心で改善を進めていく。
    • スマートフォンおよびモバイルネットワークの普及。いつでもどこでもデータを取得でき、我々に偏在的な接続性をもたらす
    • モバイル決済浸透率の上昇。モバイル決済は少額でもどんな場所でも利用が可能になる。
    • 幅広い種類のセンサーが高品質で安価に手に入り、偏在する。現実世界の動作をリアルタイムでデジタル化し、活用が可能になる。
    • 自動化されたロボット、人工知能の普及。最終的には物流(サプライチェーンプロセス)も自動化することが可能になる。
    • 以上4つの条件により、「リアルチャネルであってもオンラインで常時接続し、その場でデータが処理されてインタラクションすることが可能になるため、オンラインとオフラインの境界は曖昧になり、融合していく」
    • "「もうO2Oの時代ではありません。店舗というリアルチャネルであっても、ユーザーの行動のすべてをデータとして取得できる時代です。 我々にとってはモバイルもPCもコンビニも、ただのユーザーインターフェースでしかありません。例えば、顧客がスマホで水を1本購入することも、無人コンビニで顧客が水を1本購入することも、誰がいつどこでどの銘柄を購入したのかがすべてデータとして分かるのであれば同じことですよね。顧客は水が欲しいと思った時、もしたまたま近くにコンビニがあればそこで買うでしょう。わざわざスマホで購入して家に届けてもうらなんてことはしないはずです。顧客は『オンラインとかオフラインとか』といちいち考えておらず、 その時最も便利な方法で買いたいだけなので、我々は様々な選択肢を提供することが大事 だと思っています。そのために無人コンビニも展開しているのです。" (Kindle位置:745)
  • ニューリテールの代表例「フーマー」:”リテールテインメント” 顧客がウォークインできる楽しい食品EC倉庫。
  • 無人化は効率化がバリューではない。人間がもっと人間らしい活動に従事できるようになることこそが価値。
    • ”「無人化」というとどんどんサービスが機械化していく印象がありますが、実際には 従業員とよりコミュニケーションを取り、より人間的な温かいサービスを提供する プレイヤーが生き残っています。これは、リアル店舗での顧客との接点の価値が変わっていく大きなポイントではないかと思っています。 こうした現象について、「ツイッター」の共同創業者であり、急成長を続けているモバイル決済「スクエア」の創業者でもあるジャック・ドーシーは「シンプリファイズ・ザ・ワールド」と呼んでいます。ドーシーは、「決済という作業は、商品を売る側と購入する人が仕方なくやらなければいけない行為で、もしこれを短縮したり不可視化できたりすれば、買い物という行為は本来の人間対人間のコミュニケーションや物語の交換に戻って、売りたい人と買いたい人の意識が一瞬でつながることができる」”(Kindle位置:1,502)
  • アフターデジタル時代のビジネス原理
    • (1)高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと
    • (2)ターゲットだけでなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること。