🖋

Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

感じたこと

  • aa
  • aa

内容

  • 価値を見いだす:学びたいと思わなければ学ぶことはできない。専門知識を習得するには、 そのスキルや知識に価値があるとみなさなければならない。さらに、意味づけを行わなけれ ばならない。学習とはすなわち対象の意味を知ることである。
  • 目標を設定する: 知識を習得する初期の段階においては、集中が重要だ。 何を学びたいのか を厳密に見きわめて、目的と目標を設定しなければならない
  • 能力を伸ばす: 練習にも、他人と差がつく力をつけられるようなものがある。学習のこの段 階では、スキルを磨き、パフォーマンスを向上させることに特化した手段を講じる必要がある。
  • 発展させる: この段階では、基本から踏み出して、知識を応用したい。 スキルと知識に肉付 けして、より意味のある形の理解を形成したい。
  • 関係づける: すべてがどう噛み合うかがわかるフェーズである。私たちは結局、個別の事実 や手順だけを知りたいのではなく、その事実や手順が他の事実や手順とどう関わり合うかを 知りたいのだ。
  • 再考する: 学習には間違いや過信がつきものだから、自分の知識を見直し、自分の理解を振 り返って、自分の学習したことから学ぶ必要がある。
  • 価値を見いだす。 学びたいと思わなければ学ぶことはできない。専門知識を習得するには、その スキルや知識に価値があるとみなさなければならない。だから学習に自分との関連性を探し、専門 知識を自分にとって意味のあるものにする方法を見つけ出そう。 例えば体操の好きなあなたが数学 を学んでいるなら、回転の要素が入った数学問題に取り組んでみよう。 編み物を学んでいる場合は、 親しい友人のためにセーターを編んであげよう。 また、その専門知識分野に意味を見いだそう。 学習には知識やスキルに何らかの意味を持たせる という面もある。だからテキストを読み直したり蛍光ペンを引いたりといった受け身の学習法は使わないでほしい。 自分で自分に問題を出したり説明をするといった能動的な学習法を使おう。 テ キストの内容を本気で覚えたかったら、 体で覚える。 概念を本気で理解したかったら、自分の言葉 もう一つ例を挙げると、「反復」という手法もある。今度込み入った指示を出されたら、一手間 かけて、言われたことを自分の言葉で繰り返してみてほしい。 内容を自分なりに要約したときに、 知識の創造という手順を踏むので、情報を記憶しやすくなるはずだ。 目標を設定する。 知識を習得する初期の段階においては、集中が重要だ。どんなスキルを学びた いのかを厳密に見きわめなければならない。学習を一種の知識の管理と考えてほしい。 成功するた めには目標、期限、戦略が必要だ。 明確な目的がある人のほうが「いい仕事をする」のような漠然 とした願望だけの人より良い結果を出すことを、実に何百もの調査が証明している。 だから学習目標は漠然とした願望であってはならない。あまりに高望みした学習目標は逆効果 然としすぎ、遠すぎるからだ。 これは私たちの情動的な面を無視した目標である。それより も達成しやすいベンチマークを設定したほうが成功の確率が上がる。 「ワルツを覚える」ではなく、 「週一回ワルツのレッスンに参加する」、といった達成しやすい小さな目標を設定するべきである。 学習の目標設定に関しては、厳しさも非常に重要だ。 今までよりも少しだけ難しいことに挑戦し てほしい。 例えば美術史を学ぶ場合、ほとんどの人は、レンプラントがオランダの画家であるとか、 ヴァン・ゴッホは後期印象派の画家であるなど、自分がすでによく知っていることのおさらいから始めるだろう。 しかし学びがあるのは、楽々とできる範囲の少しだけ先に背伸びしたとき、あと少しだけ理解の 及ばない概念を理解しようと努力するときだ。 だから美術史を学んでいる人により効果的な質問は 次のようなものだろう。 ジャコメッティとは誰か。 ルイーズ・ニーヴェルスンが美術家として重要 理由はなぜかドガが最初のモダニズムの画家とされる理由は何か。 知識とスキルを伸ばす。 学習のこの段階では、能力を磨き、パフォーマンスを向上させるために そのことに特化した手段を講じる必要がある。つまり、熱の領域を広げるために時間をとって練 習する必要があるのだ。 練習にも、他人と差がつく力をつけられるようなものがある。 自分の知識を記憶から取り出す練 習をするようにしよう。 ある有名な実験では、文章をただ繰り返し読んだ被験者グルー ブよりも、思い出す練習をした被験者グループのほうが記憶への定着率が高かった。具体的に言う 例えばこの文章を読んだ後、何が書いてあったか自分に問したほうが単純に読み返すよりも よく覚えられるということだ。 もう一つとても大事なのがフィードバックだ。自分がやっていることの何が正しくて何が間違っ ているのかは知っておくべきで、パフォーマンスを観察するだけでも成果が高まる可能性がある。 これに関して一部の人から絶大な支持を受けているのが学習日記だ。動画による記録を頼りにする 人々もいる。
  • フィードバックは指針を与えてくれる。 例えば、あなたが「雄鶏」のスペイン語は pollo [鶏肉の意 だと思い込んでいたとする。 それに対してただ単に答えを教えるのは悪いフィードバックだ 「違い 正しくはgallo です」)。フィードバックをしないのも悪いフィードバックのうちに入るかもしれ ない 「それでは次の問題に行きましょう」)。 良いフィードバックは、気づきとともに正しい結果を生み出すための体系的な方法を与えてくれ る。例えば雄鶏の例で言えば、最も効果の高いフィードバックは、まず答えが間違っていることを 示し、 それから軽いヒントを与える (「基を意味する正しいスペイン語は (8) から始まります」)。 相手 がそれでも正しい答えを考えつかなければ、ヒントを順に与えていき「ga」など)、正しい答え (gallo) 専門知識を発展させる。 学習プロセスのこの段階では、基本から踏み出して、知識を応用したい。 スキルと知識に肉付けし、スキルを発展させることによって多くを得ることができる。例えば人前 で話すのが上手になりたければ、講演からメディアの取材まで、さまざまな形で人前で話す経験を 積むことだ。 自分で自分に概念を説明したり、質問したりするのも学びが多い。これで意味が通るだろうか? これはどういう仕組みになっているのか? 同様に、概念やスキルを他人に説明するのもおおいに 勉強になる。 グループ学習が効果的な理由もそこにある。仲間に教えると、教える本人にとっても 得るものが大きいのである。
  • たしかにこうした学習アプローチは知的な苦労をともなう。 時間と努力とがんばりを要するため、 感情面への支援が不可欠だ。 どれだけささやかであっても、進捗を測って達成をねぎらうとよい。 関係づけのスキル。すべてがどう噛み合うかがわかるフェーズである。私たちは結局、個別の事 実や手順だけを知りたいのではなく、その事実や手順が他の事実や手順とどう関わり合うかを知り たい。 要するに、専門知識分野の根底にある体系を理解したいのである。 事実情報の先に目を向け、物事がどう結びつくのかを知ろう。 専門知識分野内の関係性を検証す るような質問を自分にしよう。 この分野に潜む体系は何か? 本質的な因果関係は何か? アナロ ジーになりそうなものはないか? この情報を自分にとってどう価値あるものにできるか? ここの点で効果的なのが仮説である。例えば生物学を学ぶ場合は、生物が進化しなかったとしたら どうなるかを考えてみるとよい。あるいは文学でも同様だ。 シェイクスピアの『ロミオとジュリエッ ト」をもっと理解したければ、若い恋人たちが死ななかったとしたらどうなるかを考えてみるとよ い。 キャピュレット家とモンタギュー家の確執は続いただろうか? コンセプトマップも専門知識体系の中にあるつながりを発見する方法として効果的だ。 知識やス ル同士の関係を図表化するとわかってくることがたくさんある。また、複数の要素を混ぜ合わせ るようにしてほしい。練習にバリエーションをつけると相互の関係がつかみやすくなる。ウェブサ イトの構築方法を独学で覚えたければ、Drupal(コンテンツマネジメントシステムの一種)の編集 Wordpress(ブログを作るためのソフトウェアの一種)の学習を交互に行ってみるとよい。
  • 自分の理解を再考する。学習には間違いや過信がつきものだから、 自分の知識を見直し、自分の 理解を振り返る必要がある。 学びながら 「自分がわかっていると思っていることを本当にわかって いるのか?」と自問すべきだ。 この点では他者の存在がおおいに役に立つ。 多様な物の考え方に触れると学びの質は上がりやす い。 政治学者のスコット・ペイジが実験で証明したように、多様な経験を持つ人々と組んだほうが 成功の確率が上がる。 急を要する課題を解決しようという場合には、自分とは異なるバックグラウ ンドを持つ人に助けを求めよう。 社内の問題を解決したければ、プレーンストーミングの打ち合わ にビルの管理人さんを入れよう。 また、内省も必要だ。 自分が学んだことについて考えるのである。 具体的には、自分にこう問い かけよう。「自分の考え方は変わったか? この教材の内容は全体としてどうつじつまが合うのか? 自分が学んだのは何で、次は何を学ぶ必要があるのか?」 最後に、私たちが学ぶのはその分野を成り立たせている思考体系を知るためである。 ミクロ経済 学を学ぶ場合は、ミクロ経済学の専門家の思考法を学ぶことになる。 生化学を学ぶなら生化学の専 門家の思考法を学ぶのである。ある教育心理学者が述べているように、「学習とは整理されたわか りやすい体系のパーツを理解することだと思いなさい」。

引用メモ